より良いドッグフードを探している飼い主様のために
今回は私が初めて犬を飼った時の話をさせていただきます。
しつけの方法や散歩の仕方など初めてのことばかりで、色々と戸惑いながら、少しずつ学んでいったのを 今でも覚えています。
その中でも一番、悩んだのが、食事についてです。
うちの犬は涙やけがひどく、少し肌がアトピーっぽい傾向がありました。
私は普段の食事、つまりドッグフードで症状の改善を目指そうと思ったのですが ドッグフードの選び方について、何を信じれば良いのかわからなかったのです。
このページに辿り着いた方は多かれ少なかれ、ドッグフードについて色々考えている方だと思います。愛犬のために、より良いドッグフードを食べさせたい。
しかし、どのメーカーのドッグフードが良いのか、判断の仕方がわからない。そんな人たちのために、少しでも手助けができたらと思ってます。
ドッグフードの法律を知る
ペットフード安全法について
2009年(平成21年)6月1日、愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)が施行されました。
この法律は『愛がん動物用飼料(ペットフード)の製造等に関する規制を行うことにより、愛がん動物用飼料の安全性の確保を図り、もって愛がん動物(ペット)の健康を保護し、動物の愛護に寄与することを目的とする』ものです。
これより前は、ペットの食べ物を規制する法律はありませんでした。
本法律で施行された改正で牛肉由来の肉骨粉の使用は禁止となりました。これは、BSE(牛海綿状脳症)のリスクを避けるために導入されました。
しかし、豚肉や鶏肉由来の肉骨粉に関しては、依然として使用が許可されています。これらの肉骨粉も、一定の品質基準を満たすことが求められ、安全性が確保されることが前提となっています。
ちなみに肉骨粉とは、動物の食肉部分を除いた残りの部分(骨や内臓、皮、爪、血液など)を加熱処理し、粉末状にしたものです。
この加工方法が気になる点であり、肉骨粉の品質や製造過程が不明確な場合、ペットフードの安全性に疑問を持つことができます。
けど、うちの使っているペットフードはチキン使用と明記されているから大丈夫と思った方。その成分表、よく見てみると、チキンの後ろに"動物性脂肪"とか"動物性油脂"とか書かれていませんか?
その動物性油脂とは主に肉骨粉から作られます。つまり、犬や猫の皮や爪なども含まれている可能性があります。
ドッグフードの価値を考える
相場の視点からドッグフードを考える
ものには相場があります。牛肉には牛肉の、米には米の相場があります。
もちろん、米にせよ牛肉にせよ、相場から外れた、高価なモノもあります。
では、逆に10kgで2000円以下のお米が売っていたとしたら、あなたは買いますか?ちなみに、私は買いません。何故ならそんな怪しいもの、いわくつきに決まっているからです。
ドッグフードの相場はどうでしょうか?
ドッグフードの価格は10kgで2000円前後のものから1kgで5000円近くするプレミアムフードまで様々ですが、ホームセンターなどで売られている低価格帯のものは約500〜1000円前後かと思います。
この相場、食料品として、正しい価格なのか、少し考えてみたく思います。
犬が摂取する栄養成分のうち、もっとも重要なものは動物性タンパク質、つまりお肉です。
よって、ドッグフードの成分もお肉がメインでなければなりません。
お店で、1kgで500〜1000円前後のお肉を探してみると、殆ど見当たらないと思いますが、激安スーパーで種類が豚や鶏なら部位によってはそれぐらいの値段のお肉もあるかもしれません。
しかし、それは生肉での話し。大抵のドッグフードはドライタイプ(水分10%)です。
生肉に含まれる水分は概ね70%前後です。よって、1kgの生肉をドライタイプ(水分10%)にすると、量は400gまで減ってしまいます。
そうやって、考えると、比較的安価なドッグフードに含まれている肉はまともなものではない(例えば先ほどの話に出た肉骨粉など)か、あるいは肉なんて殆ど入っていないか どちらかである可能性が高いです。
1kg700円以下のドッグフードは疑った方が良い
人間だって食費を抑えている時代に、犬だけ高いフードを買うなんて考えられないと思う方もいるかもしれませんが、 プレミアムドッグフードと呼ばれているドッグフードでも人間の食費よりは安いはずです。
そして、犬はドッグフードを10年以上、毎日食べ続けます。
まともじゃないものが入っているドッグフードを食べ続けて、老後、病気になった場合、そのほうがお金がかかります。
ドッグフードの成分を見る
ペットフード安全法で明らかに犬や猫に影響を与える有害物質は規制されたと私は述べましたが、具体的にペットフード安全法で規制された成分規格を見てみましょう。
以下の物質の含有量は、それぞれ定める量以下でなければならない。
分類 | 物質 | 定める量(ppm) |
カビ毒 | アフラトキシンB1 | 0.02 |
農薬 | クロルピリホスメチル | 10 |
農薬 | ピリミホスメチル | 2 |
農薬 | マラチオン | 10 |
農薬 |
メタミドホス | 0.2 |
農薬 |
グリホサート | 15 |
添加物 |
エトキシン※ BHA BHT |
150(合計量) |
※ただし、エトキシンは75ppm以下
これらの物質は多量に摂取すると生体に影響を及ぼすとして、人の食料では当たり前に規制されているものです。
例えば、アフラトキシンB1。これは自然界のなかで最も強い発がん性物質であり、その毒性は、ダイオキシンの10倍です。日本では食品衛生法 第六条二にて「食品から検出されてはならないもの」とされています。
動物実験では、0.001pmを104週与えて肝がんを発生、0.015ppb以上の飼料では68週で肝がんを起こしています。
人間の場合とペットの場合で基準値を比較してみる
物質 |
ペットの場合(ppm) |
人の場合(ppm)※1 |
アフラトキシンB1 |
0.02 |
禁止 |
クロルピリホスメチル |
10 |
0.03~0.05 |
ピリミホスメチル | 2 |
0.01~1 |
マラチオン | 10 | 0.1~8.0 |
メタミドホス |
0.2 |
0.01〜0.03(残留基準) |
グリホサート |
15 |
0.2 |
エトキシン |
150(合計量) |
0.05〜3(残留基準) |
BHA |
|
0.02〜0.5 |
BHT |
|
0.02〜0.5 |
※1 人に対する基準は各食品、作物によって違います。この表では各食品、作物の基準値から、大体の目安を記載しています。
何故、人間と同じ基準にできないのか?
こうやって、見てみると人に比べてペットの方が規制は緩いです。 特にエトキシンとBHA、BHTの食品添加物は規制してないも同然のように感じます。
何故、人間と同じ基準にできないのか?
答えは簡単です。日本で売っているペットフードは成り立ちからいって外国産(特にアメリカ産)のものが中心だったからです。
もし、日本が設けた基準に海外のドッグフードが準拠していなければ、そのドッグフードを輸入できなくなります。
だから、日本のドッグフードは栄養バランスはAAFCO基準(米国飼料検査官協会)だし、ペットフードへの制限物質の量もアメリカ基準なのです。
ペットフードの農薬検査結果を公開しているドッグフードを選ぶ
まず、エトキシンとBHA、BHTが成分として記載されているドッグフードはもってのほかです。
近年はこれらの添加物が入ったドッグフードはかなり減りましたが、今でもホームセンターなどで売られている格安ドッグフードには入っていることがあります。
もし、記載されていなくても安心はできません。
ペットフード安全法では「原材料は原則全て表示すること」とありますが、原材料に含まれる添加物の表示までは義務付けていません。
例えば「小麦粉」をペットフードに配合する場合、「小麦粉」を原材料名として表示する必要はありますが、小麦粉に散布した農薬は表示する必要はありません。
できれば、ペットフード安全法の基準を満たしているか検査され、これらの情報を公開しているドッグフードを選びたいところです。
ドッグフードの栄養を学ぶ
犬の食性に適合したドッグフードか?
ドッグフードは動物性タンパク質を中心にタンパク質を摂取することが重要です。
犬は基本的に人とほぼ同じものを食べられます。しかし、栄養バランスは人と全く違います。
犬にとって一番大事な栄養素はタンパク質です。犬は人よりも多くの種類、多くの量の必須アミノ酸をタンパク質から摂取する必要があります。
このとき、重要になってくるのは良質な動物性タンパク質(つまりお肉)を中心にタンパク質を摂取することです。
植物性タンパク質では犬の必須アミノ酸を全てまかなうことができません。また、犬の消化器官は植物性タンパク質の分解を苦手としています。
ドッグフードは安価で低品質な穀物でタンパク質のかさを増やしているものが多く見られます。
しかし、ドッグフードのパッケージに記載された栄養成分は粗タンパクとしか書かれていないため、必須アミノ酸がきちんとまかなわれているのかわかりません。
ドッグフードの原材料は使用量の多い順に記載されます
肉よりも先にトウモロコシや小麦が記載されている場合は注意が必要です。表記上、タンパク質は満たしてあっても、実際は植物性タンパク質が主成分の可能性があります。
また、トウモロコシよりも肉のほうが多く見せるために、トウモロコシとコーングルテン等とほぼ同じ原材料のものを2つにわけて、記載順を下げるなどの手もよく行われることがあります。
穀物中心のドッグフードは良くない?
犬は炭水化物の消化はあまり得意ではありません。
また、動物栄養学国立研究会議(NRC)は「十分なタンパク質を与えられていれば、犬・猫は炭水化物を全く必要としないようである」と発表しています。
その他の専門機関でも、犬にとって炭水化物が悪いというよりは、あっても無くても構わないものといった認識が大半のようです。
先ほども少し話しましたが、穀物中心で動物性タンパク質が疎かなドッグフードは必須アミノ酸のバランスが良くないのでおすすめできません。
しかし、一方で穀物を一切使用しないグレインフリーのドッグフードもそこまでやる必要はないと考えています。穀物からはタンパク質や炭水化物だけでなく、ビタミンやミネラルも摂取できるからです。

グレインフリーのドッグフードが本当に必要かどうか、ここで解説しています。
興味ありましたら、こちらもご一読ください。
犬を注意深く観察する
犬の様子を観察し、普段の食事が正しいかチェック
ドッグフードの成分や栄養バランスについて考えることは大切ですが、それだけではわからないこともあります。
犬は喋ることができません。しかし、犬の身体を観察すると、そのドッグフードが犬にとって良い作用を及ぼしているか、そうでないか、わかります。
身体は正直です。私たちが犬の身体から発せられるSOSをしっかりと受け止め、適切な処置をとることが大事です。
これって本当にアレルギー?
特定のドッグフードを食べると、皮膚がただれて毛が抜ける。これは化学合成添加物などが原因の可能性があります。犬にも人間にも毒性に強いものと弱いものがいます。弱いものはほんの少しの添加物でも過剰に反応します。
もし、アレルギーの可能性がある犬がいたら、まず手作りで犬のご飯を作ってみてください。色々なメーカー出す低アレルギー食ドッグフードを取捨選択するよりも、それが一番確実です。
それでも症状が思わしくない場合は、アレルギーの原因と思われる食材を一つずつ、抜き、特定していってください。
自分で作った料理に何が入っているかは作った本人が一番わかります。
確かに手作り食は手間もかかりますが、様々な低アレルギードッグフードを試したり、病院に通院し続ける手間と費用を考えたら、同じようなものです。なにより、自分でアレルギーの原因を特定する方が、はるかに信用できます。
排泄物を観察する
犬に限らず、動物の健康状態を見るのに一番効果的なのはウンチを見ることです。 「ドッグフードの栄養を学ぶ」でも書きましたが、犬にとって重要なのは動物性タンパク質です。
動物性タンパク質をきちんと摂取した犬のウンチはコロっとしていて、濃い黄土色で量もそんなに多くありません。また臭いもそれほどありません。
臭いがきつかったり、つかめないほどゆるい,量が多いといった場合は穀物が多すぎて、やや消化不良ぎみな可能性があります。
ウンチの色がうすい色の場合は、胆汁が不足している可能性や、肝臓が悪い可能性があります。
やや白いウンチは膵臓の機能が低下している時やサプリメントを多く摂ったときに出ます。
また、尿の色は淡黄色が基本ですが、水分を多く摂った場合は尿の色が薄くなります。
犬が大量に水を飲む場合、糖尿病の可能性があります。
オシッコに行く回数が増えたり、オシッコがなかなかで出なかったりする場合は尿路結石かもしれません。
まとめ
・あまりにも安価なドッグフードは避ける。
・農薬/添加物の検査結果を公開しているドッグフードを選ぶ
・賞味期限が極端に長い(1年以上)ドッグフードは避ける。
・お肉を中心とした動物性タンパク質が豊富なドッグフードを選ぶ
・犬がコロっとした、濃い黄土色のウンチをするドッグフードを選ぶ
上記の条件に合致するドッグフードを選んでいただけたら良いと思います。

こちらの商品は犬に食べてもらうための手作り食から試行錯誤して栄養と安心食材を研究、追求したものとなっています。興味がありましたら、ぜひ詳細をご覧ください。